社内システム内製化必勝法–まずは「アリもの」を使う

はじめに

社内システム内製化といっても、全部を自社でフルスクラッチで作成する必要はありません。
というかむしろやめたほうが良いです。

最近は便利な世の中になって、ほとんどの業務はwebサービスでまかなえるようになってきました。

車輪の再発明」は極力避けて、あるものを使いましょう。

「slack」は便利

slack」は雑に言うとチャットツールですが、強力な検索機能とファイルのやりとりが出来るところが素晴らしい。あと絵文字がかわいい。

無料で利用を始めることができるのでまずは試しに入れてみてはどうでしょうか。

便利だ!となって過去のやり取りを蓄積したくなると有料版に移行したくなりますが、そのときには月額1000円弱/1member を超えるメリットを実感できるはずです。

弊社も最初はお客様とのやり取りのために導入しましたが、今では自社のミーティングもすべてslack上の「ハドル」で行っています。リモートワークには手放せないツールとなっています。

「trello」も良い

「slack」は便利なのですがスレッドが流れていくので誰が何のタスクを行っているかがわかりにくいという欠点があります。
そこで「trello」です。
これまた雑に言うと「カンバン方式」のタスク管理システムです。

有料版になると独自の項目を追加できたり色々便利らしいんですが、弊社ではいまのところ無料版で十分満足しています。

trelloで課題を立てるとslackに通知が行くとかその逆とか、簡単な設定で両者を連携できるので便利です。

どうしても独自実装が必要となったら「kintone」

どうしても独自の業務フローがあるため、上記2つではまかないきれないとなったときは「kintone」がおすすめです。
Excelマクロで謎の処理が動いているとか、3代前の担当者が作った誰も中身がわからない「秘伝のタレ」状態のAccessなどは技術的負債です。
業務がストップする前に早急にkintoneに移行しましょう。

社内wikiならwordpressと「WP Githuber MD」

社内wikiならローカルLANに立てたwordpressに「WP Githuber MD」で十分だと考えます。
余裕があるならbacklogが便利です。
ガントチャートやタスク管理もできるので上記Trelloが不要になります。

セキュリティは大丈夫か

セキュリティリスク云々ありますが、そこはきちんとした運用でカバーできます。

いまやかなり大きな企業でも導入しています。
大きな企業が使っているということは大丈夫なんです!
と力強く信じるしかないと思います。

逆に、いまやオンプレに置いておくほうがリスクが高い時代です。

大事なのは導入時のグラウンドデザインとトップの志

最後に。
上記ツールはあくまで手段にすぎません。
大事なのはトップの志です。
仏作って魂入れず」ではないですが、ツールを導入しただけでは片手落ちです。

例えばこういうことです。
「slackでリモートワークが可能となったな。だったら無駄な通勤時間を減らしましょうという意味で通勤手当の代わりに住居手当を厚くしよう。」

「通勤手当は非課税部分があるな。住居手当の会社負担分とどちらがメリットがあるか調査しよう。」

こういう判断は経営陣しかできません。DXは必然的にCX(コーポレート・トランスフォーメーション)を含むのだと思います。
以前書いたように経営者のコミットが必要です。

仕事は苦痛の対価ではなく、価値創造の対価


企業も考え方を変える必要があるのかもしれません。

「slack」を入れたのは良いけど、PCの前に座っているかどうかを常に監視して10分くらいスレッドに返事がないと鬼電というのは、考え方に改善の余地があると思います。

マウスの動作を感知してサボってないか監視するシステムもありますが、そもそもマウス動かしてたら仕事してるのかというところを考え直したほうが良い。

マウスが動いているからと言って安心してはいけません。ひょっとして「コレ」かもしれませんよ。