「DX」とは何かについて考えたこと

初めに

昨今はDX化について質問を受けることが増えてきました。
「どうやってDX化すれば良いか」のような質問でも、
実は「古くなった機器を買い替えたい」という意味で使われていたりします。
それはそれで必要なことなので、ま、エエんですけど。

そこで「DX」とは何かについて考えたことを書きます。
先に結論を申し上げますと、ズバリ「DX」とは「デジタル戦国時代」のことです!
あ、画面を閉じる前にもう少しお付き合いください。

「DX」の「X」は「トランスフォーメーション」の略

まず言葉の意味を再確認させてください。
「DX」の「X」は「トランスフォーメーション」を略したものです。
「トランスフォーメーション」というのはまさしく「トランスフォーム」することです。
昔、「トランスフォーマー」というアニメ(最近では映画になってる)がありました。
つまり「トランスフォーメーション」とは、雑に言うと車が人になるくらいの変化が起こるということです。

さなぎの中で何が起きているか

アニメや映画に興味がない人のために別の例えをします。
セミとかカブトムシは、さなぎになっているときもパッと見は昆虫っぽいです。
しかし、実は、元の素材は一度ドロドロのスープみたいになって、全部組み替えてるらしいんです。

で、じゃあ「デジタル・トランスフォーメーション」って何よという話になると
デジタル化によって破壊的な変化を起こすということなんだと思います。

DXの例

以前の記事でも書いたんですが、自分の中で腹落ちしたので「ウーバーイーツ」で説明します。
ウーバーイーツ」の出自は「ウーバー」の子会社です。

扱っている商品を名詞で見ると「タクシー」は「人」だし「食品配達」は「食品」でまったく別です。

しかし、「運ぶ」という「動詞」で見ると同じ。
かつ、いわゆるプロではない人に大事な商品を「運んでもらう」「運ばせる」。
登録、教育、報酬の支払い、ユーザからの評価の仕組み、などなど、システムとしては、ほぼ同じものを使い回せるわけです。

戦国時代である理由

さらにすごいのは、ウーバーイーツを考えた人が、タクシー業界でも配達業界でもない人だということです。
アメリカで、業界の素人が考えた仕組みによって、たかだか6年たらずで広島でお好み焼きが日々配達されてるというのはすごくないですか?
まさに戦国時代。ウーバーイーツは21世紀の斎藤道三ですよ。

以前の「常識」が「非常識」に


それまでサービスを担っていた業種に対して、忖度せずに業界に割って入るので色々と摩擦もおきる。
けれどもエンドユーザにとっては便利なので支持される。
そうこうしているうちに、社会全体の「非常識」が「常識」に変わっていく。
まさしくこれが「デジタル」によって「トランスフォーメーション」してるということなんだと思います!

正直「赤の他人」に「食品」を「自分の家」まで届けてもらうというのは、私は未だに抵抗あるんです。

それを若者にいうと「古い!もともとピザの配達だってバイトの子が一日で辞めたらウーバーイーツと一緒ですよね。」と一蹴されました。

トランスフォーマー」も、しばらく見ているうちに、
車がしゃべったり変形することに何の違和感も持たなくなります。同じことなんでしょう・・。

単なるバズワード(流行り言葉)ではなく、実は前から起きていた現象

みんな「DX」がすごいすごい。100年に一度の大革命、いや人類が未だ直面したことがない現象だとかいうんです。
ほんとにそうか?とあえて物申してみたい。

あんまり遡るとあれなんですが、技術によって世界の仕組みが変わるというのは、人類が過去に何度も繰り返して来たことです。ダイナマイトの発明しかり、グーテンベルクの印刷機しかり。
今回もそれと同じ現象だと思います。

OS2/Warp

あんまり昔に戻るとみんなが相手にしてくれなくなるので、最近の例(グーテンベルグと比較して)でいうと
私がこの業界に入った頃(ちょっと前か)はクリティカルな業務でwindowsを使うというのはあり得なかったんです。
当時、山口智子さんがCMに出てたOS2WarpというOSが有りまして、大きな企業だとそれを使ってたんです。
それまでは、windowsはすぐ落ちるので、ホビー用途で業務に使うなどもってのほかという雰囲気でした。
windowsNTが意外に行ける、となってから一気にwindowsがメジャーになった感があります。

98

せっかくなのでwindowsの話を続けます。
当時NECが作っていた9801シリーズというPCがありました。
最初は独自OSだったんです。
その後DOSが乗り、windowsが出ても、しばらくは98専用のwindowsがあったんです。

それが、いつの間にか98というのは名ばかりで中身はDOS/V機になっていました。
国産のOSが汎用的なテクノロジーによって駆逐されたという見方もできるのではないかと思うんです。

DX化というのは事象としては確実に起きているので、しばらくしたら消えて無くなるのではなく、日常になるのだと思います。

セコム

みなさんご存じのセコムもすごいので紹介させてください。
警備会社のセコムはだいぶ前からシステムも手掛けてます。
最初はなぜセコムが?と思いました。
しかし、大事なものを守るという意味では、物理も論理も同じだと。納得しました。

中小企業はまずデジタル化するのが最初の一歩

じゃあ、DX化するには、どこから手を付けたらいいのか?
まずは、冒頭に述べたさなぎの「ドロドロ化」、つまり「デジタル化」をするのがおすすめです。
具体的には、ローカルに置いてあるExcelをgoogleシートなりoffice365なりKintoneなりクラウドに上げて社内で共有できるようにするとか、紙の付箋をディスプレイに貼って業務を回してるのをSlackにするとか、そういう部分をデジタル化して計測可能な形にするのが最初の一歩かと思います。

自社のノウハウを利用し他業種にどんどん飛び込む

上記デジタル化が終了したら、いよいよ次のステージです。
自社の業務で当たり前じゃんと思っていることが、実は他の業種では当たり前でないことはよくあります。
そういうところに飛び込んで行くとすごく喜ばれると思います。

10年以上前ですが、私の例を紹介します。
測量事務所に行ったところ、図面をメールでやり取りしているため、ファイルに先祖返りが起きてたんです。
VSS(バージョン管理システム)という概念が存在しないのかとびっくりしました。
担当者はブチギレてましたが、それは仕組みで解決しようよ・・・と思いました。

妄想

少し妄想してみます。
新聞業界が斜陽といわれて久しいですが、一軒一軒に一定時間に毎日モノを配達するというノウハウはすごい。
配達するものは、別に新聞でなくても、焼きたてのパンでも豆腐でも良いんじゃないかと思うんです。
実際は衛生上の問題や法律とかで厳しいのだと思うのですが、DX的な考えでいくとそれも有りではないかと。

中小企業にとってはボーナスステージ

DXだなんだというと大企業が有利なんでしょという気になりそうなんですが、私は楽観的です。
むしろ中小企業のボーナスステージじゃないのと思います。それは過去の歴史を見ればわかります。
変化に対応できるのは小回りがきく方です。

最後に営業

ここまで読んでいただきありがとうございました!

どこから手を付けたらよいのかわからないという方は
お問い合わせからご質問いただけましたら必ずご返事さしあげます!
最後は営業で締めさせていただいてしまいすみません。